2011年05月25日

maya's colum vol.17

自分の愛する人が、ある日突然目の前からいなくなってしまう事なんて、
一体誰が想像するだろう。
失ってはじめて分かる存在の大きさや愛しさに、悲しみ。
大切な人を失った今、もう生きている意味はないとまで思ってしまう。
同じ場所にいきたい。
もう1度寄り添いたい。
言葉を交わしたい・・・。
どんなに溢れても、尽きることのない涙。
叫んでも叫んでも枯れ果てることのない嗚咽。
いくつの夜を絶望の渦の中で重ねたことだろう。
そんな貴方へ届きますように・・・。


「まだ現実受け止められなくて・・・。
彼がいなくなって、仕事も手につかないし、生きてる心地もしないの。
まだ沢山伝えたい事沢山あった、謝らなきゃいけない事も沢山、沢山あって・・・。」

げっそりした体に、荒れた肌。泣きじゃくる女友達を前に、ただひたすら頷いて、
手を繋ぐ事しか出来ない自分を、無力だと思った。

2007年、桜も咲き始めた、春の出来事。
絶対に会ってほしい、と言われていた彼にやっと会えたのは、彼のお葬式でだった。
突然の、バイク事故のニュース。
私の大切な人の、大切な人が亡くなった。

「彼ね、もうすぐ誕生日だったの。私の誕生日の時にはサプライズ
で祝ってくれたから、私も一生心に残るようなお祝いしてあげよ
う、って決めてたの。
…それなのに私の未来からいなくなっちゃった。
もう待ち合わせも出来ないし、ケンカも出来ない。今になって後悔
する事ばっかりで。
私、今でもこんなに愛してるのに・・・。」

崩れるように私の傍で泣き続ける友達の肩は震えていて、胸がちぎれそうになった。

―あの時もっと素直になれてたら。
あの時ちゃんと、
愛してるって伝えられてたら・・・
泣きじゃくって、
もっとワガママ言えてたら・・・
貴方のいない世界なんて生きてる意味がないよ。―


色んな言葉が頭をよぎったけれど、どの言葉も口に出せずにいた私は彼女に手紙を書いた。

「ねぇ、ハニー?今の心の痛みは、彼を愛した証だと思う。悲しみ
が深いのは、愛情が深かった証。そしてハニーの心は、大切なその
人が還れる唯一のふるさとかもしれないね。だってその場所は2
人の絆がかよう永遠にぬくもりのある場所だから。そうだとした
ら、いつでも還って来れるように、心の中をあたたかく、居心地良
くしていなきゃいけないと思うの。涙でびしょびしょだと、流され
てしまうじゃない?
ねぇ、ハニー?私は、人の絆って永遠のものだと思う。疑わず、強
く願い、信じていれば、きっと心の中に大切な人の居場所が生まれ
るはず。そして、ハニーがこれから歩く人生をずっと見守り、応援
していてくれるはずだよ。信じてみない?彼のぬくもりが感じられ
るまで。
ゆっくりでいいから、歩き出そうよ、ぬくもりと共に・・・。
精一杯、2人分の人生を。」

どんな人も平等に1秒1秒進む時間。
一人の人間の一つの人生が幕を降ろした後、どんなに悲しんでも地球は変わらずに回り続け、
大きく広い空は果てしなく続いていて、
太陽は私たちを照らし、夜になれば月が輝く。
そして、そんな空の下には、まだ出会った事のない多くの人が確かに存在していて、
一生懸命に生きてる。
そして自分の目の前にある自分の人生は続いてく。

そう思うと、人間の儚さと人生の小ささを感じる。
人は、誰も、いつか、死ぬ。それは紛れもない事実。
けれどそのとき胸についた傷が、周りの人の大切さを、命の尊さを、改めて感じさせてくれる。
そして残された人たちの人生はそれでも続いてく。
その繰り返しが人類であり、人生なのかもしれないね。

私の手紙を読んだという女友達が連絡をくれたのは、手紙を送ってからちょうど1年後の春。

「仕事に復帰した」と話してくれた電話越しの彼女の声は震えていたし、泣いていた。
けど、その涙は、彼女が一生懸命生きる決心をした証だと思った。

ときに、涙は悲しい時だけでなく、嬉しいときにも流れ落ちるから。
感情が極まったときに現れる、人間の生の輝きとさえ思う。
生に触れたとき、生を喪ったとき、涙は流れ落ちる。

そして、最も人間らしい瞬間に涙は流れ落ちる。
彼女がそうであるように、生きて、生きて、生きているときに。

「困難にぶつかることよりも、人に裏切られることよりも、つらい
ことよりも、悲しいことよりも、苦しいことよりも、もっと恐ろし
いのは、あきらめてしまうこと。諦めてしまえば、そこで全てがお
わってしまうから。」

だから今、どんなに悲しみに心を塞いでも、決してあなたの人生をあきらめないでほしい。
命の尊さを、生きる事の幸せを、しっかりと噛み締めて、
明るく、笑って、精一杯生きてほしい。
posted by maya at 00:00| Comment(0) | コラム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。